2019年1月30日にグランドプリンスホテル新高輪で開催された楽天新春カンファレンス2019では、2019年上期に楽天が目指す戦略について三木谷社長から発表がありました。
ココカラ編集部も参加させていただきましたので、当日発表された内容をレポートいたします。
グランドプリンスホテル新高輪のエントランスより。
大変多くの方でごった返していました。
2018年のShop of the Areaの受賞店舗が紹介されていました。
おめでとうございます。
三木谷社長の講演をサテライト中継で参加させていただきました。
イベントスペースでは巨大な「お買いものパンダ」がお出迎え。
インスタ映えするためか皆さん記念撮影をされていました。
Eコマースの今後
- 今後2023年までにEC市場の流通総額が現在の8兆円から15兆円になる時代が予測されているので、楽天市場はその中で5〜10兆円の流通総額シェア獲得を目指す
- 今年のダボス会議の主テーマはEコマースで、今後世界的にみてもEコマースは主要なインフラになっていくと予測される。BtoBの取引も全てEコマースへ移行されることが予測される。
- 中国ではデジタルコマースと呼び、リアル店舗をいかにして巻き込んで発展させていくかが議論の対象となっている
- 今年の楽天EXPOはパシフィコ横浜で開催予定で、10万人の来場者数を目指す
AmazonをはじめEC業界の競争が激化する中、楽天としての方向性を明確に示した三木谷社長。
今後もまだまだ拡大していく市場に対し、どのようにシェアを伸ばしていくか注視していく必要がありそうです。
「ワンデリバリー」構想
- 楽天市場の弱みである、店舗ごとに送料無料ラインがまちまちな問題を、モールで統一していく
- また楽天が自社配送ネットワーク「Rakuten Express」で深夜不在再配達などへの対応による「あす楽」の強化、注文当日に商品を届ける「きょう楽」の開始
- 不在対策は高価な商品でない場合などお客様了承のもと、玄関の脇に商品を置いておく「置き配」をもとに対応を強化する方針
- AmazonのFBAと比較し、楽天のRSL(楽天スーパーロジスティクス)は価格競争力があり、収益も改善できる。そうした未来を目指す。
店舗に対しても痛みを伴う改革を打ち上げた形となりますが、楽天の弱点を今のうちになくすためにも、全店舗が同じ方向を向いて進んでいく必要があると感じました。
自社配送ネットワークの強化には大いに期待したいです。
「Rチャット」の強化
- 名称をR-ChatからR-Messeに改称予定
- UIを強化し、LINEやVIBERのような形式でお客様と店舗間でやりとりができるようになることを目指す
- チャットではなくメッセンジャーとすることで休日対応などはせずに済むようにする狙いがある
- AI活用促進により、今後お問い合わせの8割をチャットボットが対応できるようにする予定
- 残りの2割を店舗での対応をお願いする
顧客対応はEC運営において切っても切り離せないものとなっていますが、その大部分を自動化できれば経費削減、収益増加に繋がりますので、AIを利用したR-Messangerには期待したいところです。
クリーンイメージの促進
- チラシのような写真やデザインは今後極力排除していく方針
- 現在進めている商品画像ガイドラインはこの活動を元としている
これまで楽天が勧めてきた方法と真逆のこととなり、店舗側としては負担も高く、大きな疑問を持っているかと思いますが、EC業界の流れ、世間の動きを見据えた勇気ある決断だと考えます。
楽天が今後成長するためには必要なことであり、ひいては店舗全体の収益増加に繋がることになるという考えを持って対応を行なっていく必要があります。
ワンペイメント
- 楽天ペイで実践済み
- 後払い決済を1月31日にリリースする
決済方法の統一化はAmazonなどに対抗するためには必須なことでしたが、こちらは見事に実現されました。
今後も決済の拡充は進んでいくかと思われます。
まとめ
店舗にとっては手をあげて喜べる内容だけではなかったかと思いますが、年々激化するEC業界の競争に打ち勝つため、楽天が選んだ道を全店舗上げて進んでいく覚悟が必要と感じます。
一番反響の大きかったワンデリバリー構想は一年以上前から話はありましたが、ここまで現実的な話にまとめる三木谷社長の手腕に感嘆の思いです。
今後の楽天の動向にはますます目が離せません。